2.北西海岸インディアン

●北西海岸インディアンとは
北アメリカ・北西海岸―アラスカ州(アメリカ合衆国)南部から
ブリティッシュ・コロンビア州(カナダ)ワシントン州(アメリカ合衆国)
にかけての太平洋沿岸部―では、巨大な針葉樹の森林が発達し、
陸地深くまで入り込む湾とたくさんの島々によって、複雑に入り組んだ森と海の世界が形作られている。
北西海岸インディアンと総称されてきたこの地の先住民は、
豊富な海・川の水産資源と木材資源の利用に基づいて、
定住的集落、階層制、出自集団などの社会組織、トーテムポールや仮面ダンスなどに代表される
複雑な儀礼や高度な芸術を発達させてきたことで知られている。
北西海岸インディアンの文化は高度な資源利用、精神世界、芸術などが特徴である。

●森との暮らし
北西海岸インディアンは樹木の伐採や加工の技術に優れ、
家やカヌー、調理具、食器など、生活に必要なものの多くを木で製作していた。
日用品の材料としてもっともよくもちいられたのは、シーダー類の樹木である。
樹木は、丸太のまま家の柱やカヌー、トーテムポールなどに使われたほか、
板材を熱して折り曲げ、食物や油の貯蔵用または調理用の木箱が作られる。
また、北西海岸インディアンの日用品の多くには、表面に装飾的な彫刻が施されているが、
こうした彫刻には曲刃のナイフが用いられている。
シーダー類の樹皮は、外皮は壁や屋根を葺く材料として、
内皮はマット、バスケット、帽子、衣服、縄の材料として用いられていた。
ほかにシーダー類やスプルースの根も細かく裂いてバスケットや帽子を編むのに用いられた。

●トーテムポール
トーテムポールは「彫刻を施した柱」で、大きく4種類に分けることができる。
家屋の内部に立てられた比較的小型の「家屋柱」
家屋の正面に取り付けられ、家屋への入口を兼ねる「入口柱」
柱の内部に火葬された故人の遺骨を納め、故人を記念する「墓柱」
家屋のそばに立てられ、特定の個人の業績や家集団の属する氏族や
リネージュ(系譜関係を具体的にたどることができる集団)
などの人間集団を象徴する「独立柱(記念柱)」の4種類である。
北西海岸インディアンは、動物の超自然的な力を信じており、
動物たちをトーテムポールや社会集団の紋章として使用している。


●写真について
写真は北西海岸インディアンの中のハイダの彫刻家が製作した アージライト(珪質粘板岩)製 トーテムポールの模型である。 上から「霊力のある女性」、「シャチ」、「クマ」が彫刻されている。 トーテムポールは5000年以上前まで遡る北西海岸インディアンの木彫りの伝統から生まれたもので、 従来木で作られていた。18世紀以降の欧米人との接触により、 北アラスカ・北西海岸に多量の鉄器が流入するようになったため、 ハイダは、鉄器を使って比較的加工しやすいアージライト(珪質粘板岩)を用いて、交易品としての小型トーテムポールや皿などを製作するようになった。現在では芸術作品として位置づけられるものもある。


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5.素材になる石

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