鉛筆デッサンの描き方-描き込み〜仕上げ

 前のページでは大きな面で捉え、おおまかな影をつけるところまでをやりました。最初は影をつけて全体を描くことを意識しましょう。細かい形を描こうとしても、全体のバランスはなかなか取れません。全体の比率と暗さと明るさのバランスを整えます。大きな形をとらえてそれら全体のバランスが取れた、シルエットも正確になった、と思ったら、次はいよいよ細かく描いていきます。

 いよいよ細かい所も描いていきます。足の指が5本あることやくるぶしの形を起こしていきます。指はそれぞれ付け根までの長さがどの程度かよく測ります。影の段階も何段階かできるように作りましょう。

 さらに描き込みます。ある程度濃くなったら鉛筆の調子の幅を作ります。ここでは指でこすったり練りゴムを使って一度色を落としています。鉛筆で一度描いただけでは紙はざらざらしているので、まばらにしか線がつきません。手前の部分や明るい部分はざらざらさせても良いのですが、影の部分や引っ込む所などはざらざらしているとなかなか落ち着きません。画面に変化をつけるためにも、濃くしたら指でこすったり、練りゴムで軽くトントンと叩いて少し色を落とし、また描くことを繰り返すなどして線に変化をつけます。指でこすると鉛筆の粉が紙の目の間にも入り込み、均一な黒ができます。すると全体が暗くなって影らしく見えたり、奥まって見えるようになります。そろそろ鉛筆を立てて使っても良い頃です。鉛筆も3BだけでなくHや他の鉛筆も使うようにします。

 鉛筆の調子の幅もできて細部もできてきたと思ったら後はどんどん強くしていくのみです。指の形、くるぶしの影と盛り上がり、足の切り口、台の形、足の甲の変化などなど、細かくみて描きます。細かく描くと最初の見当とは違った所も出てくるので、面倒だと思わずに何度も形を測りなおして描き直しましょう。物をなでるように鉛筆のタッチをつけると形が想像しやすくなります。繰り返し描く事で調子の幅も出てきます。一度で終わらせようと思わずに、何度もしつこく描く事が重要です。手前の指と奥の指を比べると、描き込むときの着眼点がわかりやすいと思います。

 かなり全体ができてきました。影の暗さをいくつにも分けます。影は一色ではありません。影の中にも段階があることに注目します。特に影の一番奥には反射光という光が入る事に注意しましょう。影の部分にはたいてい物に当たって反射した光が入ります。一番光が当たるハイライト、明るい部分、影になる部分、影と光の境になる稜線、そして反射光を描くことが物を立体的に見せるコツです。地面に落ちる影もしっかり描きます。地面の影は画面から水平に描くと平らな台に乗っている感じが出しやすくなります。

 どんどん描きこみます。こうして描きこむと、全体が黒くなりすぎてきます。石膏は白いので、時には意識的に白くする事も必要です。前の段階と違いがわかりにくいかもしれませんが、足の甲の部分を見て下さい。明るくなっているのがわかると思います。デッサンをするときには、ただ消すという事はありません。明るい部分を白で描くつもりで練りゴムを使います。消した後にはまた鉛筆を使って描きます。

 白くしたり影をつけたり指でこすったり、色々繰り返してようやく完成です。正確にはこの後少し描き加えていますが、美術室にお手本として貼っておいたところ、写真を撮る前に生徒にいたずらされてしまったため残っていません。まさか作品にそんなことをするとは・・・子供は時々悪気もなくそういう事をする事もあると教えられました。この絵の場合かかとが弱くなりすぎ、台の輪郭が強すぎます。台と足の違いも出てしまっているので、さらに直す必要があります。

 仕上がったらフィキサチーフという保護スプレーをかけておきましょう。消しゴムで強く消されたりする事は防げませんが、軽くこすったりする程度のことなら作品を保護できます。

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