4.種族ごとの特徴と技法


●ナバホ族
銀細工を最初に始めたのはナバホ族だと言われている。
スペイン人からヨーロッパの技術を学んだメキシコ人により、その技術はナバホを通し他部族へと広まった。
ズニのデザインの様にあまり細かいところにこだわりは持たず、
大ぶりのトルコ石やサンゴなどを大胆にどっしりとセットして、
タガネによる模様で飾りをつけるのもナバホ族ジュエリーの特徴の一つでもある。

  

□スタンプワーク
タガネ(鉄を直線や曲線、模様等に削った物)を使って銀版に模様を打ち込む方法。
リングの裏に打たれているK-18等の刻印もタガネで作られている。
多くのタガネの種類を組み合わせて一つの模様をデザインしていく方法。

□ナジャ
スカッシュの花をイメージしてデザインされた物だが、
その形が女性の子宮を連想させることから 子孫繁栄を祈るお守りとして主に女性が身に付けることが多い。

□コンチョ
ボタンやベルト等によく使われる円形(ラウンド)または楕円形(オーバル)の装飾品で、
スタンプワークや石を施して作られるものが多い。
銀貨を叩いて作られた物も主流になっている。

□フェザー
羽。特にイーグル(ワシ)の羽。これは他の部族でもよく使われる代表的なモチーフ。
インディアンの間では儀式(精神世界との交信)や戦績の象徴として使われ、 多く持つことが名誉だった。

□ボーンビーズ
動物の骨で作られたビーズで、石や貝と同じく古くから使われた素材。
身に付ける事で動物の霊力が自分に宿ると信じていた時代もある。


●ホピ族
アメリカ最古の住民と言われているホピ族。その意味は平和。
今でもアメリカインディアン最大の部族の居留地の中心に部にメサと言う台地に住む。
理由の一つはアパッチなどの侵略から部族を守るためであった。
2枚の銀盤を用い1枚に美しいデザインをカッティングし、
もう1枚を張り合わせて奥行きのある表現を得意とする(オーバーレイ)。
伝統的な壁画などのデザインが多く見られる。石をあまり使わないのも特徴である。

  

□オーバーレイ
ホピ族独特の製法で銀版を糸のこで図案通りにカットし、
もう一枚の銀版と張り合わせて立体的な作品に仕上げる方法。

□カチナ
「カ(尊ぶ)チナ(霊)」ホピ族の精神世界に住む精霊で、
人は死ぬとカチナになって宇宙から次の宇宙に移り、
次の世界で人を助ける者として戻ってくると言われている。

□サンフェイス
サン(太陽)の象徴。
太陽が人間世界の創造者とされているサンゴッド・サンカチナも存在する。

□ベア
熊。ホピ族の内部にはいくつかのクラン(族)があるが、
その中でも最初のクランが熊族(ベアクラン)で『強さ 力 権力』の象徴。

□ベアパウ
熊の手。
力の象徴の一つで、これを並べる事でホピ族が歩いてきた軌跡を表わしている。

□スパイダー
蜘蛛。蜘蛛が巣を作り上げていく姿から、地道に努力を続け、事を成す。
成就などの意味がありベアパウと並べて使う事で現在のホピ族の成功を意味する。


●ズニ族
アメリカ原住民アナサジの流れをくむ農耕民族ズニ。
1880年に入り最初にロウ付けの技術を身につけ、 ターコイズをセットしたジュエリーを作り始める。
トルコ石以外にも珊瑚、黒曜石、貝などを細かくカットして精巧にはめ込んだ、
インレイと言う技法を用いてカラフルで絵画的なデザインを作り上げる。
ナバホなどと比べて繊細である。
ナバホ族ジュエリーを銀細工とすると、ズニ族のジュエリーは石細工である。

  


□インレイワーク
小さく板状にした色々な素材をモザイクの様にはめ込み接着材で止めて
自然の物等をモチーフとして作られる(ズニインレイ)。

□チップインレイ
インレイワークが素材をカットしてはめ込むのに対し、
チップインレイは素材をカットしたり細かく砕いたりして、
透明の樹脂と一緒にシルバーの枠に流し込んで図柄を完成させる方法。

□ニードルポイント
素材(主にターコイズ、サンゴ)を小さな半円状にカットして
シルバーの枠にはめ爪で止める方法。

□クラスター
ニードルポイントと似た製法で石等を楕円形やディアドロップ(涙型)カットし
シルバーの枠に爪で止め、全体を大花(円形)の様に配置して仕上げた物。

□フィティッシュ
主にネックレスやペンダントとしてつくられる。
多くの素材を色々な動物の形にカットしてトルコ石や貝のビーズで繋いだ物で
幸せを呼び込むお守りとして大切にされている。


●サントドミンゴ族
リオグランデ川沿いに暮らす定住農耕民族であるサントドミンゴ。
銀細工に関してはズニ族やナバホ族より遅く、1890年頃アメリカ人から伝えられたという。
トルコ石、黒だま石(ジェット)サンゴ、貝などを丸型やひし形など
様々な形に加工し、そこに穴をあけてつなぎ合わせる。
さらにそれを研磨して仕上げたネックレスやブレスレットなどがよく知られている。
そのネックレスは他部族の儀式などにも欠かせないものである。

□ヒーシー
サントドミンゴ族独特の製法で素材を円版状にカットし、 一つ一つ丁寧に研磨したビーズの事。
中心に穴を開け、紐を通してネックレスやブレスレットを主に仕上げる。
様々な素材を使って色鮮やかに仕上げた作品は大変美しい。


1.北アメリカ

2.インディアン

3.シルバージュエリー

4.種族と技法
5.素材になる石

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